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行きがけの駄賃

2009年 2月 5日 (木)   

春よ来い
 早く来い
歩き始めた・・・・・・・

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今日は, 『靴』 でおでかけです.
長靴でもなく、ブーツでもなく
『靴』で外出です.

念のため申し上げますが,
この日は2月の5日で,場所は 新潟県の津南町です.
例年なら、一番雪が降る時期です。

特に,我が家の周囲は遅くまで雪がのこりますので、
春になって、自宅から普通の『靴』で外出できるようになると,
しみじみと  を感じます.(今回はかなり例外的ですが・・・)

赤い鼻緒の じょじょ履いて
おんもへ出たいと待っている・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、もう少し昔のお話の続きです。

(前記事「Mt.Mc」「ペテン師」および「てっぺん」の続き)

【行きがけの駄賃】
「197X年7月20日 ガス・曇り 南峰全員登頂で当初の目的は果たすことができたが,日数の余裕もあるので,北峰をアタックすることに決め、凍傷のMOBと体調不調のモリをC2に残しあとの4人でC3(デナリパス5550m)入りする。」
 H隊長は欲張りです.私たちはまったく知らなかったのですが,H隊長とM副隊長は最初から北峰を狙っていたようです.下調べも十分してあったようです.そういえば、送り出してくれたOBも「せっかく出かけるんだから、目一杯楽しんでこい。登ったからといって、時間余らせてさっさと帰ってくるんじゃねえぞ.」と言ってました.「目的の山に登頂したのだから、やっと帰れる」と思った私たちは甘かった.その後,会社に入ったばかりのころにも先輩に言われました.「何事にも『ついで』というものがあるんだ」と・・・・・

(画像はクリックすると拡大されます。)
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「7月21日 曇り 北峰(5900mちょっと?)登頂 北峰手前の18990Feet Peakを目指して進む。岩峰にまっすぐ伸びているルンゼの右側を捲くようにしてフィックス(固定ロープ)160mを張るが、岩質が脆くハーケンは効かない。取り付きから6ピッチでPeakに立つ。(この辺で雲の上に出る.真っ青な空が広がる)Peakより雪原を進み北峯の稜線に出る.頂上がどこか分からないほど平坦である.交信にてC2に登頂を伝え、C3に戻る.」
 岩陵部はまたガス・ガス・ガス(雲の中)。ガスであまり高度感がなかったのが幸いしてか、必死だったせいか、岩場部分は何とか通過。頂上台地に出ると雲の上に出ました.やっぱり周囲が見えた方が「登った」という実感がします.

【群青色の空】(昔話のその又昔話.) 昔,山の雑誌でアンデスの山の写真を見たときに,空の色が青というよりも群青色をしていて『さすが宇宙に近いんだな』と感じたことがあります.『青い空がそのまま宇宙につながっているという』イメージです。北峰の頂上でもなんとなく『この空はつまり宇宙なんだ』あるいは『少しばかり宇宙に飛び出した』という感じがしました.(実際は来る途中のジャンボジェットの方が宇宙に近いところを飛んでいたのですが・・・・。)

北峰頂上にて,
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六根清浄 お山は晴天

よっこらしょ どっこいしょ

あわてない あわてない・・・・・・・

 もちろん三角点も,頂上の標識もありません.「どっちを向いてもこの辺ではここが一番高いから,この辺が頂上」です。右から,ナベ・M副隊長そして私.はしゃぐ余裕は残っていたようです.私のゼルプストバンドに繋がっているのが『雲古Zeil』です。

 しばし頂上の景色を楽しんだ後、またガスガスの雲の中に降ります.この時は,ただ隊長の言われるがままでしたが,今にして思えば,この時北峰に登っておいてよかったと思います.滅多に出かけられませんし,毎年沢山の人が南峰(主峰)に登るようになった今日でも、北峯に登る人は極端に少ないでしょうから,ちょっとは自慢になります.この日はC3(5550m)泊。

「7月22日 曇り 北峰にも登頂し,さすがに皆疲れと高度障害を訴えているが、C2にC1まで降りることを伝える.相変わらずの天候の中を出発.デナリパス下のトラバースは慎重にスタッカット(常にどちらか片方が確保しながら交互に行動する)で進む.C2にて合流しC1に降りる.」

【虫歯】私もH隊長も山に入ってから虫歯が痛みだしました.コンジスイという薬を使って痛みを抑えていましたが,だんだん薬の効く時間が短くなり、ついには効かなくなりました.H隊長は夜中にゴソゴソとテントの外の雪をとって冷やしてこらえています.私は何とかこらえましたが,長期間山に入る場合には、今痛くなくても、ちゃんと虫歯の治療をしてから出かけた方が良いようです.ちなみに,日本に帰ってから歯医者さんへ行ったのですが,歯医者さんの打つ麻酔がほとんど効かないで痛い思いをしました.(素人考えでは、たぶん,鎮痛剤の使い過ぎのせいだと思います。)

「7月23日 曇り・晴・曇り スキー隊とズッポ(スキーなし)隊に分かれるが、スキー隊は調子良くいかない.C1より少し下るとクレバスが相当多く、大きくなっている.ルートを探すのに骨が折れる.ウインディーコーナーからスキー隊は快適に飛ばしていく。この頃より晴れ間が出てきたが,デポ地の上の急斜面はクレバスが大きく口を開き苦労する.BC(カヒルトナパス)に着くころになると完全にガスに包まれ、赤旗に導かれながら到着する.」 

 確かに雪国育ちで、「バッチテストは無理だけど、大抵の斜面は(横滑りも含めて)何とか降れる(つもりの)」私でしたが,数十キロのキスリングを背負っての滑降はまったくもって不慣れで,急傾斜の所では苦戦しました.


「7月24日 曇り 停滞」

【行きがけの駄賃,もう一丁!】H隊長は欲張りです.
「7月25日 晴 カヒルトナドーム登頂。 ナベと越後屋を除く4名で,カヒルトナドームを目指す.10790Feet Peakとのコル目指してスキーをつけて進む.コルへの斜面はさしてクレバスもなくスムーズに登行できる.10600Feetにスキーをデポして、アイゼンをつける。尾根は広く安全に登ることができる.頂上までラッセルしながら進む.登っていくにしたがってマッキンレー方面の雲がなくなり、展望が開ける.13:00頂上の一角に出るがそれから広く緩やかなドーム状の斜面となって続いている。40分ほどかかって頂きに達する.時折ガスが開けてまことによい展望台である.下山にかかり300mほど下ったところからガスに包まれるが、行きのトレースと旗竿とを忠実に辿りBCへ着く。」

 南峰は登ったし,北峰も登ったし,さて帰れるか・・・・と思ったら大間違い,「まだ時間も食料もあるから、もう一つ登って帰ろう」ということで、希望者のみですが,カヒルトナ・ドームに登頂.

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【トイレ】ナベと私は南峰と北峰に登頂したので,カヒルトナ・ドームはパス。ナベの誕生日なので休養ということにして一日のんびりする.退屈したのでイグルーで豪華なトイレを作る.当時はトイレについて特別制限はなかったようですが、現在は一旦分解性の袋に回収してクレバスの中に処分するようです(参考資料)。この日は風もなかったのでTシャツ姿でひなたぼっこができました.

「7月26日 晴 BC〜LP(ランディングポイント) スキーをつけて快適に(?)カヒルトナ氷河を滑る.氷河は一変してクレバスが大きく開いてズタズタになっているが、1ヶ月前に通った時に比べてかえって状態がはっきりしていて通過しやすい.」

【スキー滑降】
ザックいっぱいの荷物を背負って、アンザイレンして氷河の上を滑降するのですが、今にして思えばずいぶん大胆なことをしたなと思います.一人がクレバスに落ちたら、相方も絶対に止められないから一緒に墜落です.快晴の下、アンザイレンした状態で左右に並んで間隔を保ちながら氷河の上を滑ったときの景色は今でも鮮明に覚えています.この頃になるとクレバスの中には水が溜まっているのが多かったです.底なしの不気味な群青色の水溜です.
 幅50cmほどのクレバスの向こう側の縁に、毛糸の手袋が左右、ペタン、ペタンと張り付いていました.もしや誰か落ちたのでは?一瞬ドキンとしましたがどうも落ちたのではなさそうです.落ちそうになって這い上がったけれど、手袋を回収する元気が残っていなかったようです.
 クレバスの無い地帯では氷河の上に水たまりができている所もありました.その付近にはクレバスが無いことがわかります。

氷河上から、上部を振り返る.
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 真っ青な空の下,広いカヒルトナ氷河を「豪快に」滑ります.と言っても、キスリングいっぱいの荷物を背負った私とM副隊長は,ザイルに繋がったまま横並びになっての滑降です。左手に運○ザイルのループを持ち,常に間隔をキープしながらの滑降です.ザイルの適度のたるみがなくなったり、相手の転倒・停止・減速に気づかないと,引き倒されてしまいます.気をつけないとクレバスも口を開けて待ち構えています.今にして思えば,私のスキー技術のわりには、結構大胆なことしてたと思います.

(あと少しだけ・・・・  続く)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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我が家の裏の、ムラサキモクレンの芽は、

まだ,厚いオーバーの襟を立てたままです.

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