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ペテン師

2009年1月28日(水)  

28日 午前9時 津南町役場    積雪 67cm

平成18年1月28日 午前9時 同所 積雪348cm

17日に屋根の雪下ろしをしてから、我が家の周辺では、ほとんど降雪がありません。
雨が降ったり,晴れだったりして,
ついに我が家の屋根の上の雪は無くなってしまいました,

私にとっては大変ありがたいことです.

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午後,所用で中野市に行ってきました,上の写真は、 快晴の高社山です。

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(昔のお話)

『ペテン師』(前記事 昔話、『Mt.Mc 』のつづき)

「197X年7月8日 雪〜曇り 停滞 雪は依然として止まず、新雪が1mほどとなる.」
【シール】私たちはスキーにシールを貼って使用していました.私は父所有のシール(アザラシ皮の本物のシール)を無断で拝借して使用しておりました,たしかにナイロンシールより毛足も長く性能はよかったのですが・・・・・。クラストしたときの雪面はガラスの粉を撒いたように鋭いです.一日行動すると皮を台布に縫い付けている糸があちこち切れてきます.しまいには皮がちぎれてとれていきます.毎日のように縫い直し(お裁縫)。最後には皮は半分位しか残っていませんでした.もう少し油を染み込ませ皮を柔らかくしていたらあそこまで酷くはならなかったと思います.日頃の道具のお手入れですね.

(画像はクリックすると拡大されます。上が北です)
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「7月9日 霧 丸3日間降り続いた雪はようやく止んだと思われたが、天候の回復はならず、視界はまったく効かない.先行したBC建設隊とRCで合流し、一気にBC入りできると思ったが、BC予定地確認できずBC手前と思われる場所に幕営する。」
 
【ホワイト・アウト】氷河上でもよく「ホワイトアウト」になりました.とにかくとんでもなく濃い霧です.トレースはもちろんのこと、少しはなれると先行者の姿すら分かりません.地図と観察(傾斜の変化等)だけが頼りです.他のパーティーもほとんどいない(私の記憶では、約一ヶ月弱のあいだ山の中で出会ったのはせいぜい4パーティー9人くらいだったと思います)ので自分たちでルートを探すしかありません.前の足をつくまでは平らなのか傾斜しているのか分からないような状況はしばしばです.10mも離れれば前の人が分からなくなるようなそんな濃い霧(ガス)がかかります.mistではなく間違いなく「FOG」です。また、氷河(クレバス)の状況もどんどん変わっていってるように思われました.コンパスはどうも使った記憶がありません.たぶん、北極圏/磁北に近いので使いずらかったのだと思います.


【標識旗】ホワイト・アウトの時は標識旗が頼りです。私たちの持参した赤布は薄暗いとき見難かったです.所々に残っている他の登山隊の残したピンクやオレンジの蛍光色の標識旗がガスの中では見易かったです.ただし、氷河の状況は常に変化しているので、それらの旗が残っている場所の周囲が安全であるという保証はありません.ルートも安全も毎日自分たちで確認です.

「7月10日 晴 朝起きてみると、昨日天幕を張った地点よりBCまで時間にしてわずか10分足らずであった.BC到着後デポ回収しBC入り完了となる.」 朝起きて外を見ると、ほんの数十メートル山側に高さ10mもあるような大きな雪のブロックが転がっていました.昨日今日落ちたものではなさそうですが,そんな大きなブロックが落ちてくるような場所に入り込んでいたのです.山際に近寄り過ぎてました.(地図上のB.C.手前の小さな×印の所)雪渓の上と同じで、ついつい「高い方へ高い方へ」と行ってしまいます.


【白夜】そう、白夜の国です、この時期真夜中でも「真っ暗」にはなりません。お天道様もお月様も、頭の上をぐるぐるっと回って、暫くの間だけ山の向こうに隠れて、真っ暗にならないうちに、また暫くで顔を出す。夕焼けがそのまま朝焼けになってしまいます。.最初の頃はそんな感じで、夜になっても真っ暗になりませんでした(だから夜中も行動できたわけですが).慣れるまでなかなか寝付けませんでした.アイマスクを持っていけばよかったと思います.それから,テントの色は黄色より青いテントの方が眠りやすかったです.黄色いテントは日が陰ってからでも内部がまぶしいです.

「7月11日 晴〜雪 晴れ渡った空を見上げC1(4360m)までの荷上げを開始する.BCよりすぐに急な斜面が続く。1ピッチのところでなだらかになり,スキーをデポする.傾斜は幾分急になり,高度をどんどん稼ぐ.ウインディコーナーまでは別段問題はない。ウインディコーナー左側の岸壁の裾を回り込むようにして進む.中央部は極端にへこみ,クレバスだらけである. C1予定地(4360m)には外国隊(あえて言うなら、我々の方が『外国人』だと思うのですが・・・・)の天幕が1張り設営してあり,その後方に6人用テントを設営し、荷物をデポしてBCに引き返す.」

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氷河上から本峰を見上げる.(たぶん右奥が頂上)
 BCまでの荷上げ中に私のスキーは折れてしまい、トタン板を巻いて修理して(?)使っていました.滑走面にはシールを貼るので,何とか使えました.BCから上部はスキーを使用するのは3人だけになり,私は他の人のスキーを借りて登行を続けました。
 
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氷河上のどこか(R.C.2からの9300feetピーク?)
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たぶんB.C.(カヒルトナパス手前、氷河下流を見下ろす.)

「7月12日 雪・風 怪しげな天気の中をC1(4360m)へ向かう.Mt.Mc頂上には笠雲がかかっており,天候は思わしくない.高度障害がではじめ、皆のペースは上がらない.」

【ウインディーコーナー】ウインディーコーナーはその名のとおりいつも風の強い所でした.ウインディーコーナーの手前で,一度岩陵に出ます.ずーっと雪の上(どこにクレバスがあるか分からない)所を長い間歩いて来た身にとって、風で雪が吹き飛ばされ、地べた(岩)が露出しているその場所はクレバスの可能性が無いので「ちょっとホッとする」場所でもありました.
【『雲◯Zeil』の誕生】
 その時私はMOBさんとザイルパーティーを組んでました.ウインディーコーナーに差し掛かるころにはお天気が地吹雪状態になると同時に、私のお腹の中にも嵐が迫りつつありました.しばし立ち止まり,『緊急腸内残存物排出行動』をとらせていただいたのですが,・・・・・その直後、強風によりZeilに不幸な出来事がおこりまして.それから先そのザイルは『雲◯Zeil』と命名され,私専用(もちろんパートナーがいますが)となりました.

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たぶん、カヒルトナ氷河上のどこか

「7月13日 曇り BCまでの逆ボッカ(下のキャンプまで荷物を取りに行ってくる)隊、H隊長・越後屋・モリとC2(5240m)荷上げ隊M副隊長・ナベ・MOBに分かれて行動する.荷上げ隊はウエストバットレスのコルを目指してラッセルする.コル直下の傾斜は45度近くあり、雪崩誘発の危険大。コルからのウエストバットレスは思ったより細い尾根であり,所々フィックス(固定ロープ)もある。左側をやや捲きぎみに登る.コルより1ピッチで17230Feetピーク手前のコルにつき、荷をデポしてC1に戻る。」

(画像はクリックすると拡大されます.上が北です)

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【c1(4360m)ベイスン】私たちはこの場所をC1としましたが,現在はこの場所に夏になるとレンジャー・ステーションが設けられ,トイレまで設置されているそうです.現在はウエストバットレス周辺ルート(ウエスタンリブ等)の場合この場所をBCとするのが一般的のようです.

「7月14日 快晴 停滞 晴れわたった空の色が美しいが、Mt.Mc頂上には雪煙があがっており風強し。休養停滞とする.」


【娯楽係】MOBさんはあくまでもオブザーバー的立場なので,役割担当なし。自称「娯楽係」日本の歌の入ったカセットテープを持参してくれました.小柳ルミ子さんやアグネスチャンさん、中条きよしさん・・いろんな曲の入ったテープでした.それまでは小柳ルミ子さんや中条きよしさんの曲にはあまり興味なかったのですが,繰り返し繰り返し聴くうちに何となく馴染んでしまいました.山行の後半になると、演歌っぽい曲をを聴くと何だか日本が懐かしくなってしまいました.
 日本に帰ってから気づいたのですが,実際の曲は、私たちが聴いていたのよりずっと早いテンポでした.そうです.電池の消耗により少しずつ少しずつモーターの回転数が遅くなっていたのです.そして私たちは少しずつ少しずつスローテンポ(しかも低音)に慣れさせられていたのです.

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C1からのMt.ハンター(かっこいい山です)

【ペテン師】娯楽係のMOBさんは、「みんなのタバコを管理してやる」と言ってみんなのタバコを集めました.一人1カートン(20箱)くらいづつ持ち込みましたから、皆の分を集めると結構な量になります.・・・ところがいつの間にか、MOBさんは自分で買ってきたのとは違うタバコを吸っています.「一服するか?」差し出されたタバコ・・・「それ私のじゃないですか?」・・・「お!そうか。わりいわりい。ま、細かいことは気にしないで・・・・」いつもの調子です.

(よくある,帰国後仲が悪くなったとか,そんなことはございません。念のため)

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『ペテン師』のMOBさん ね、・・・如何にも「それらしい」風体でしょう?
手にしているのは,間違いなく『誰か』のタバコです.
向こうのお山はデナリーズ・ワイフのMt.フォーレーカー、なんとエレガントなお山でしょう.


(続く)

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